2012年11月19日

アナベル・リー

仕事が進まないときの気分転換に、エドガー・アラン・ポーの「アナベル・リー」を訳していたら、なんとなくいい感じに仕上がってきたので、恥知らずにも公開します。
この詩は米国人ならみんな学校で習うそうなので、出だしだけにせよ暗唱でもできたら尊敬されること間違いなし(笑)。
しかし、ポーっていう人は、写真で見ると「苦虫を噛み潰したような」という言葉はこいつのためにあるのかと思うような顔をして、アル中のくせに、よくこんな純な詩を書くもんだ。 でも、原詩は本当に美しい。韻を写せないのが残念だ。ひと通り意味がわかったら、YouTube にアップされている朗読を聴いてみると良いかもね。


Annabel Lee

アナベル・リー

It was many and many a year ago,
	In a kingdom by the sea,
That a maiden there lived whom you may know
 	By the name of Annabel Lee; ―
And this maiden she lived with no other thought
	Than to love and be loved by me.

昔むかしのことだった。
 	海のほとりの王国に、
ひとりの娘が住んでいた。
	アナベル・リー、といえばわかるかな; ―
そしてその娘、日暮らしこれだけ想ってた
	ぼくを愛し、愛される。

She was a child and I was a child,
	In this kingdom by the sea,
But we loved with a love that was more than love ―
	I and my Annabel Lee ―
With a love that the winged seraphs of Heaven
	Coveted her and me.

彼女は子供で、ぼくも子供、
	海のほとりの王国で、
でも、ぼくたちは愛しあい、愛より深い愛だった ―
	ぼくとアナベル・リーのこと ―
それは愛だった; 天上の、翼そなえた熾天使[してんし]たちの
	羨望の的になるほどの。

And this was the reason that, long ago,
	In this kingdom by the sea,
A wind blew out of a cloud by night
	Chilling my Annabel Lee;
So that her highborn kinsman came
	And bore her away from me,
To shut her up in a sepulchre
	In this kingdom by the sea.

そしてそのことのゆえ、その昔、
	海のほとりの王国に、
夜[よ]にまぎれ、雲から湧いた風が吹き
	凍えきらさせた、アナベル・リー、ぼくの人;
生まれ高貴なその親族がやって来て
	彼女をぼくから引きはがし、
海のほとりの王国の
	墓所に押し込む前触れに。

The angels, not half so happy in Heaven,
	Went envying her and me; ―
Yes! that was the reason (as all men know,
	In this kingdom by the sea)
That the wind came out of the cloud, chilling
	And killing my Annabel Lee.

その天使ども、天上で、半分も幸せでないゆえに、
	彼女とぼくに、妬[ねた]みを抱き; ―
そうとも!そのせいで(海のほとりの王国の、
	誰もが知ってることのはず)
雲から湧いた風が吹き、凍えさせ
	殺しちまった、アナベル・リー、ぼくの人。

But our love it was stronger by far than the love
	Of those who were older than we ―
	Of many far wiser than we ―
And neither the angels in Heaven above
	Nor the demons down under the sea
Can ever dissever my soul from the soul
	Of the beautiful Annabel Lee;―

けれど、ぼくらの愛は、その愛は、ずっとずっと強かった。
	二人よりもっと大人の、あの人たちの、愛よりも ―
	二人よりずっと賢い、多くの人の、愛よりも ―
そして、天上にある天使たち、
	水底[みなそこ]にいる魔物たち、いずれにも
美しいアナベル・リーとぼく、その魂と魂を、
	引き裂くことなど出来はせぬ; ―

For the moon never beams without bringing me dreams
	Of the beautiful Annabel Lee;
And the stars never rise but I feel the bright eyes
	Of the beautiful Annabel Lee;
And so, all the night-tide, I lie down by the side
Of my darling, my darling, my life and my bride,
	In the sepulchre there by the sea―
	In her tomb by the side of the sea.
	
その証[あか]しは、月が照るそのたびにぼくが見る、彼女の夢
	美しいアナベル・リー;
星々が昇るそのたびに感じられる、輝くあの瞳
	美しいアナベル・リー;
それだから、潮騒の夜を通して、ぼくは身を横たえる
ぼくの恋[こ]う、ぼくの恋人、ぼくの生、ぼくの花嫁、その傍らに、
	海のほとりのその墓所に ―
	海の際[きわ]、彼女の眠るその墓に。

posted by keis at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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